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  • 後遺症

外貌醜状の後遺障害2024.05.18

大阪弁護士会所属 登録番号47601
清風高等学校卒業/大阪市立大学卒業/大阪市役所入庁(平成18年まで勤務)/京都大学法科大学院卒業/古山綜合法律事務所 代表弁護士
「自保ジャーナル」No. 2157号(令和6年5月9日発行)掲載 / 朝日放送「キャスト」/弁護士の顔が見える中小企業法律相談ガイド(弁護士協同組合・共著)/滝川中学校 講演「インターネットトラブルにあわないために-トラブル事例を通じて-」
大阪市職員、大阪・京都の法律事務所の勤務経験を活かし、法律サービスの提供を受ける側に立った分かりやすい言葉で説明、丁寧なサポートで、年間100件以上の問題解決をおこなっています。
また損害保険会社元代理人弁護士の知識とノウハウをもって、交通事故被害者の救済に取り組んでいます。

醜状障害の種類

醜状障害は、以下の4つの分類に分けられます。

① 外貌の醜状

② 上肢の露出面の醜状

③ 下肢の露出面の醜状

④ その他の部位の醜状

外貌の醜状障害

「外貌」とは、顔や首のように上肢や下肢以外で日常露出している部分をいいます。人目につく程度のものでなければならないため、頭髪や眉毛に隠れるものは対象になりません。

瘢痕や線状痕、組織陥没の場所や大きさによって等級認定されますが、顔面神経麻痺による口のゆがみや、まぶた、耳、鼻の欠損も醜状障害として取り扱われます。

外貌の醜状障害の等級認定

等級 後遺障害
7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの
9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの
12級14号 外貌に醜状を残すもの

上肢の露出面の醜状障害

「上肢の露出面」とは、上腕(肩関節以下)から指先までの部分をいいます。複数の瘢痕や線状痕がある場合は、それらの面積を合計して認定されます。「てのひら」は、被害者の手のひらの大きさです。

なお、手のひらの大きさの3倍程度以上残す瘢痕の場合は、12級相当と認定されます。

上肢の露出面の醜状障害の等級認定

等級 後遺障害
14級3号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

下肢の露出面の醜状障害

「下肢」とは、大腿(股関節以下)から足の背までをいいます。複数の瘢痕や線状痕がある場合は、それらの面積を合計して認定されます。「てのひら」は、被害者の手のひらの大きさです。

なお、てのひらの大きさの3倍程度以上残す瘢痕の場合は、12級相当と認定されます。

下肢の露出面の醜状障害の等級認定

等級 後遺障害
14級5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

その他の部位の醜状障害

外貌や露出面以外の部分(日常露出しない部位)とは、胸部および腹部、背部および臀部をいいます。

胸部および腹部、または背部および臀部の全面積の2分の1以上の範囲に瘢痕がある場合は12級相当、全面積の4分の1程度以上の範囲に瘢痕がある場合は14級相当と認定されます。

その他の部位の醜状障害の等級認定

等級 後遺障害
12級相当 胸部および腹部、または背部および臀部の全面積の2分の1以上の瘢痕
14級相当 胸部および腹部、または背部および臀部の全面積の4分の1以上の瘢痕

醜状障害の認定のポイント

後遺障害診断書のほかに、写真なども立証資料となります。また、基本的に書面審査であるほかの後遺障害と異なり、醜状障害は面接調査が行われます。

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